他人の著作物をあなたのWebサイトで使うには?

はじめに

 本稿では,自分のブログやWebサイトで他人の著作物を掲載する際の注意点等について,解説していきたいと思います。

 本稿を読むことで,どういう場合に他人の著作物を自身のWebサイトで利用することができるのかが分かるようになります。

原則

 他人の著作物を使用する場合には,著作権者から許諾を得る必要があります。

 得るべきは,「著作者」の許諾ではなく,「著作権者」の許諾であることに注意してください。

 著作権は譲渡や相続の対象となるため,必ずしも著作物を創作した者と著作権を有している者が一致するとは限らないのです。

例外

 前述のとおり,他人の著作物を利用するには,著作権者の許諾を得ることが原則ですが,常に許諾を得る必要があるわけではありません。

 自身のブログやWebサイト等に他人の著作物を許可なく使用できる例外として,以下のものが挙げられます。

  • パブリックドメインになっている場合
  • フリー素材を使う場合
  • 私的使用のための複製著作権法§30
  • 付随対象著作物の利用同法§30の2
  • 他人の著作物を引用する場合同法§32
  • 時事問題に関する論説の転載等同法§39
  • 政治上の演説等の利用同法§40
  • 時事の事件の報道のための利用同法§41
  • 公開の美術の著作物等の利用同法§46
  • 美術の著作物等の譲渡等の申出に伴う複製等同法§47の2
  • 他人の著作物が掲載されているWebサイトのリンクを貼る場合

 以下では,Webサイトをつくる上で特に問題になりやすい,①パブリックドメインになっている場合,②フリー素材を使う場合,③私的使用のための複製,④付随対象著作物の利用,⑤他人の著作物を引用する場合,⑥他人の著作物が掲載されているWebサイトのリンクを貼る場合について説明を加えます。

①~⑦以外も重要なので,是非,お時間があるときに,一度条文に目を通してみてください!

パブリックドメインになっている場合

 著作物がパブリックドメインになった場合は,その著作物を誰でも自由に利用することができます。

 パブリックドメインとは,著作権により保護されていた著作物が,著作権の保護期間を経過して社会の公共財産になり,誰でも自由に利用できるようになったもののことをいいます。

 著作権の保護期間は,基本的に,著作物が創作されたときから始まり,著作者が死亡した年の翌年1月1日から70年間です(著作権法§51以下)

  保護期間の終了時点
実名で公表された著作物 著作者が死亡した翌年1月1日から70年経過時
共同著作物 最後に死亡した著作者が死亡した翌年1月1日から70年経過時
無名・ペンネームで公表された著作物 著作物が公表された翌年1月1日から70年経過時
(著作者が死亡した翌年1月1日から70年が経過していることが明らかな場合は,その時点)
団体名義の著作物 著作物が公表された翌年1月1日から70年
(著作物が創作された翌年1月1日から70年以内に公表されなかった場合は,著作物が創作された翌年1月1日から70年経過時)

フリー素材を使う場合

 「Pixabay」や「いらすとや」等のフリー素材は,それを利用する際,その都度,提供者の許諾を得る必要はないため,非常に便利です。

 しかし,フリー素材の利用は,その提供者ごとに定めている利用規約の範囲内でのみ認められていることに注意する必要があります。

 例えば,「いらすとや」であれば,「1記事あたり利用できる作品は20点まで」といった制限があります。

 こうした利用規約に違反すると,著作権侵害となってしまいます。

 したがって,クレジット表記が要求されていないか,商用目的での利用は認められているか,加工は認められているか等の点について利用規約がどうなっているか,フリー素材を利用する前にしっかりと確認しておいた方がよいでしょう。

私的使用のための複製

(私的使用のための複製)
第三十条 著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は,個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは,次に掲げる場合を除き,その使用する者が複製することができる。
一 公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器(複製の機能を有し,これに関する装置の全部又は主要な部分が自動化されている機器をいう。)を用いて複製する場合
二 技術的保護手段の回避(第二条第一項第二十号に規定する信号の除去若しくは改変(記録又は送信の方式の変換に伴う技術的な制約による除去又は改変を除く。)を行うこと又は同号に規定する特定の変換を必要とするよう変換された著作物,実演,レコード若しくは放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像の復元(著作権等を有する者の意思に基づいて行われるものを除く。)を行うことにより,当該技術的保護手段によつて防止される行為を可能とし,又は当該技術的保護手段によつて抑止される行為の結果に障害を生じないようにすることをいう。第百二十条の二第一号及び第二号において同じ。)により可能となり,又はその結果に障害が生じないようになつた複製を,その事実を知りながら行う場合
三 著作権を侵害する自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信であつて,国内で行われたとしたならば著作権の侵害となるべきものを含む。)を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を,その事実を知りながら行う場合
2 私的使用を目的として,デジタル方式の録音又は録画の機能を有する機器(放送の業務のための特別の性能その他の私的使用に通常供されない特別の性能を有するもの及び録音機能付きの電話機その他の本来の機能に附属する機能として録音又は録画の機能を有するものを除く。)であつて政令で定めるものにより,当該機器によるデジタル方式の録音又は録画の用に供される記録媒体であつて政令で定めるものに録音又は録画を行う者は,相当な額の補償金を著作権者に支払わなければならない。

 個人的に使用したり,家庭内で使用するような場合には,著作権者の許諾を得ずとも,自由に複製を行うことができます

 例えば,1人で観賞する目的で音楽CDを自分のパソコンにコピーしたり,親しい友人間で楽しむために雑誌記事をコピーするような場合です。

 ただし,政令で指定されたデジタル方式の録音・録画機器により,政令で指定された記録媒体に録音又は録画を行う場合は,相当な額の補償金を著作権者に支払う必要があります(著作権法§30Ⅱ)

 以上のとおり,私的複製に著作権者の許諾は不要ですが,例外もあります。

 まず,CDやDVD等にプロテクションがかけられているにもかかわらず(「DRM」),これを回避して録音・録画を行うことは認められません(同条Ⅰ②)

 また,違法にアップロードされたコンテンツであると知りながら,これについてデジタル方式の録音・録画を行うことも違法です(同項③)

 違法と認められた場合,差止めが行われたり,損害賠償責任が課されるほか,配信されている著作物が有償で提供等されているものである場合は,違法配信であることを知りながらその著作物をデジタル方式で録音・録画すると,刑事罰が科される可能性があります(著作権法§119Ⅲ)

 ここでよくある質問が「YouTubeに違法にアップロードされた動画を視聴したら,刑罰の対象になるのか?」という質問です。

 この点について,文化庁は次のような公式見解を出しています。

Q. 違法に配信されている音楽や映像を視聴するだけで,違法となるのでしょうか。

A. 違法に配信されている音楽や映像を見たり聞いたりするだけでは,録音又は録画が伴いませんので,違法ではなく,刑罰の対象とはなりません。違法となるのは,私的使用の目的であっても,著作権又は著作隣接権を侵害する自動公衆送信を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を,自らその事実を知りながら行って著作権又は著作隣接権を侵害する行為です。

 このように,文化庁が述べていることから,YouTubeでの違法アップロード動画の視聴は刑罰の対象にならないように思えますが,有罪か否かを最終的に判断するのは裁判所であるため,刑罰が科される可能性が0とはいえません(過去に文化庁の公式見解を否定した裁判例も存在しています)

付随対象著作物の利用

(付随対象著作物の利用)
第三十条の二 写真の撮影,録音又は録画(以下この項において「写真の撮影等」という。)の方法によつて著作物を創作するに当たつて,当該著作物(以下この条において「写真等著作物」という。)に係る写真の撮影等の対象とする事物又は音から分離することが困難であるため付随して対象となる事物又は音に係る他の著作物(当該写真等著作物における軽微な構成部分となるものに限る。以下この条において「付随対象著作物」という。)は,当該創作に伴つて複製することができる。ただし,当該付随対象著作物の種類及び用途並びに当該複製の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は,この限りでない。
2 前項の規定により複製された付随対象著作物は,同項に規定する写真等著作物の利用に伴つて,いずれの方法によるかを問わず,利用することができる。ただし,当該付随対象著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は,この限りでない。

 「付随対象著作物って何やねん!」って思われた方もいらっしゃるかもしれませんが,要するに「写り込み/入り込み」のことです。

 例えば,写真撮影をした際に,背後に他人の作品が写り込んでしまったり,店舗内で収録を行った場合に,映像に店舗内で流れていた音楽が入り込んでしまったような場合です。

 このような場合も,次の要件を充たすことで,他人の著作物が入り込んだ著作物を,その他人の許諾を得ずとも,自由に自分のブログに掲載したり,YouTubeにアップロードすることができます。

  • ❶ 写真の撮影,録音又は録画の方法により事物又は音を対象とする著作物を創作すること
  • ❷ 写り込む著作物が❶の著作物に付随する事物又は音であること
  • ❸ 写り込む著作物が❶の著作物の対象とする事物又は音から分離することが困難であること
  • ❹ 著作権者の利益を不当に害さない限度であること

 もっとも,❷~❹の要件該当性判断は微妙な判断が求められることがあるため,これらの要件を充たしているかどうかよく分からない場合は,弁護士等の専門家に相談した方が良いでしょう。

引用

(引用)
第三十二条 公表された著作物は,引用して利用することができる。この場合において,その引用は,公正な慣行に合致するものであり,かつ,報道,批評,研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。
2 国若しくは地方公共団体の機関,独立行政法人又は地方独立行政法人が一般に周知させることを目的として作成し,その著作の名義の下に公表する広報資料,調査統計資料,報告書その他これらに類する著作物は,説明の材料として新聞紙,雑誌その他の刊行物に転載することができる。ただし,これを禁止する旨の表示がある場合は,この限りでない。

 他人の著作物を「引用」する場合は,著作権者の許諾を得ることは不要です(著作権法§32)

 肝心なのは「引用」のやり方なのですが,伝統的には,①公表された著作物であること,②自分の作成したコンテンツと他者のコンテンツを明瞭に区別していること,③自己のコンテンツが主であること,④出所を明示していること,⑤引用する側も著作物であることという要件を充たす方法で行うことが必要であると考えられていました。

 しかし,「引用」としての利用にあたるか否かの判断においては,他人の著作物を利用する側の利用目的,その方法や態様,利用される著作物の種類や性質,当該著作物の著作権者に及ぼす影響の有無・程度等を総合考慮する必要があるとした知財高裁判決も現れ知財高判平成22年10月13日,現在,「引用」該当性判断の定式は存在しない状況です。

 伝統的な見解を採るにせよ,総合考慮の判断方法を採るせによ,「引用」該当性判断は,必ずしも明確とはいえないため,しばしば「引用」といえるかどうか判断に困ると思います。

 したがって,「引用」といえるかどうか少しでも疑念があるならば,弁護士等の専門家に相談した方が良いでしょう。

リンクの貼付け

 以下のように,他人のWebページのリンクを貼ることは,もちろん問題ありません。

メンタリストDaiGo”IQが一生下がり続ける【ヤバい習慣】とは”YouTube(2020年5月1日)

 ただし,違法にアップロードされたコンテンツのリンクを貼ると,違法行為を助長したとして,不法行為に基づく損害賠償責任を負うことになる可能性があるため,コンテンツが違法にアップロードされたものでないか否かはきちんと確認する必要があります。

 また,他のWebページのリンクを貼ることにより,当該ページ上にある画像や映像等を自身のWebページ上に表示させること(「直リンク」)については,基本的に著作権法上問題ないと考えられます大阪地判平成25年6月20日中野秀俊『ここをチェック!ネットビジネスで必ずモメる法律問題』(日本実業出版社・2015年)30頁)

 リンクを貼る行為自体は,リンク先のコンテンツを複製したり,公衆送信していないからです。

 しかし,リンク先のコンテンツが違法にアップロードされたものである場合,あなたのブログ等にその直リンクを貼ると,実質的にあなた自身が違法なコンテンツをアップロードしたと評価される可能性があるため,注意が必要です。

出所明示義務

出所を明示しなければならない場合

(出所の明示)
第四十八条 次の各号に掲げる場合には,当該各号に規定する著作物の出所を,その複製又は利用の態様に応じ合理的と認められる方法及び程度により,明示しなければならない。
一 第三十二条,第三十三条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。),第三十三条の二第一項,第三十三条の三第一項,第三十七条第一項,第四十二条又は第四十七条第一項の規定により著作物を複製する場合
二 第三十四条第一項,第三十七条第三項,第三十七条の二,第三十九条第一項第四十条第一項若しくは第二項,第四十七条第二項若しくは第三項又は第四十七条の二の規定により著作物を利用する場合
三 第三十二条の規定により著作物を複製以外の方法により利用する場合又は第三十五条第一項,第三十六条第一項,第三十八条第一項,第四十一条第四十六条若しくは第四十七条の五第一項の規定により著作物を利用する場合において,その出所を明示する慣行があるとき。
2 前項の出所の明示に当たつては,これに伴い著作者名が明らかになる場合及び当該著作物が無名のものである場合を除き,当該著作物につき表示されている著作者名を示さなければならない。
3 次の各号に掲げる場合には,前二項の規定の例により,当該各号に規定する二次的著作物の原著作物の出所を明示しなければならない。
一 第四十条第一項第四十六条又は第四十七条の五第一項の規定により創作された二次的著作物をこれらの規定により利用する場合
二 第四十七条の六第一項の規定により創作された二次的著作物を同条第二項の規定の適用を受けて同条第一項各号に掲げる規定により利用する場合

 著作権法§32以下の規定により,著作権者の許諾なく,著作物を利用することができる場合であっても,利用する著作物の出所を明示しなければならないとされています(著作権法§48)

 もしこの義務に違反すると,最高50万円の罰金刑が課せられたり(同法§122),著作権者から損害賠償を請求される可能性があるため(民法§709等),注意が必要です。

 これに対し,パブリックドメインを利用する場合や他人の著作物が掲載されているWebサイトのリンクを貼る場合には,特に出所を明示することは法律上明示されていません。

 また,フリー素材を利用する場合も,利用規約で出所を明示することを義務付けていない限りは,出所を明示する必要はありません。

出所を明示する方法

 出所を明示する方法については,著作権法§48Ⅰが,「その複製又は利用の態様に応じ合理的と認められる方法及び程度により」と定め,同条Ⅱが,原則として「著作者名を表示しなければならない」と定めるのみであり,具体的な明示方法については解釈に委ねられています。

 しかし,次のような方法で出所が明示されることが多いです。

書籍 福井健策編『インターネットビジネスの著作権とルール〔第2版〕』(CRIC・2020年)10頁
雪丸慎吾ほか編『コンテンツ別ウェブサイトの著作権Q&A』23頁(中央経済社・2018年)
※ 編著者が3名以上の場合は,代表で1名の氏名のみを記載し,残りは「ほか」でまとめることが多い。
論考 高山佳奈子「『感情』法益の問題性―動物実験規制を手がかりに」山口厚先生献呈論文集(成文堂・2014年)7頁~12頁
Webページ等 小笠原匡隆=柳田恭兵「スタートアップ・ベンチャーの担当者が最低限知っておくべきストックオプション制度と税制適格の仕組みとは?」<https://www.businesslawyers.jp/articles/708>(最終アクセス2020年2月22日)
BUSINESS LAWYERS「株主総会の開催場所の変更の実務」(2020年5月15日)
総務省「平成28年版情報通信白書」234頁
YouTube 与沢翼【公式】”「与沢の流儀」第13条 攻めと守り”YouTube<https://www.youtube.com/watch?v=F9loqnYDk9c>(最終アクセス2020年5月17日)
竹花貴騎のMUPカレッジ”【中年狩りリストラ】国民騙すの限界【IMF消費税15%】”YouTube(2020年3月6日)
裁判例 最判令和2年2月22日判タ2222号22頁
最高裁平成30年3月30日判決判時3030号30頁
神戸地決昭和6年5月4日

 なお,出所を明示するにあたっては,記事の末尾にまとめて「参考文献」等として掲載するだけでは足りず,複製・利用した著作物の掲載部分に近接した場所に掲載しなければなりません

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