【逐条解説】第五章 不公正な取引方法(第19条―第20条の7)【独占禁止法】

第19条(不公正な取引方法の禁止)

 事業者は,不公正な取引方法を用いてはならない。

第20条(排除措置命令)

 前条の規定に違反する行為があるときは,公正取引委員会は,第八章第二節に規定する手続に従い,事業者に対し,当該行為の差止め,契約条項の削除その他当該行為を排除するために必要な措置を命ずることができる。

2 第七条第二項の規定は,前条の規定に違反する行為に準用する。

第20条の2(特定の共同取引拒絶を繰り返した場合の課徴金納付命令)

 事業者が,次の各号のいずれかに該当する者であつて,第十九条の規定に違反する行為(第二条第九項第一号に該当するものに限る。)をしたときは,公正取引委員会は,第八章第二節に規定する手続に従い,当該事業者に対し,当該行為をした日から当該行為がなくなる日までの期間(当該期間が三年を超えるときは,当該行為がなくなる日から遡つて三年間とする。)における,当該行為において当該事業者がその供給を拒絶し,又はその供給に係る商品若しくは役務の数量若しくは内容を制限した事業者の競争者に対し供給した同号イに規定する商品又は役務と同一の商品又は役務(同号ロに規定する違反行為にあつては,当該事業者が同号ロに規定する他の事業者(以下この条において「拒絶事業者」という。)に対し供給した同号ロに規定する商品又は役務と同一の商品又は役務(当該拒絶事業者が当該同一の商品又は役務を供給するために必要な商品又は役務を含む。),拒絶事業者がその供給を拒絶し,又はその供給に係る商品若しくは役務の数量若しくは内容を制限した事業者の競争者に対し当該事業者が供給した当該同一の商品又は役務及び拒絶事業者が当該事業者に対し供給した当該同一の商品又は役務)の政令で定める方法により算定した売上額に百分の三(当該事業者が小売業を営む場合は百分の二,卸売業を営む場合は百分の一とする。)を乗じて得た額に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命じなければならない。ただし,当該事業者が当該行為に係る行為について第七条の二第一項(同条第二項及び第八条の三において読み替えて準用する場合を含む。次条から第二十条の五までにおいて同じ。)若しくは第七条の二第四項の規定による命令(当該命令が確定している場合に限る。第二十条の四及び第二十条の五において同じ。),第七条の二第十八項若しくは第二十一項の規定による通知若しくは第六十三条第二項の規定による決定を受けたとき,又はこの条の規定による課徴金の額が百万円未満であるときは,その納付を命ずることができない。

一 当該行為に係る事件について第四十七条第一項第四号に掲げる処分が最初に行われた日(次条から第二十条の五までにおいて「調査開始日」という。)から遡り十年以内に,前条の規定による命令(第二条第九項第一号に係るものに限る。次号において同じ。)又はこの条の規定による命令を受けたことがある者(当該命令が確定している場合に限る。次号において同じ。)

二 第四十七条第一項第四号に掲げる処分が行われなかつた場合において,当該事業者が当該違反行為について事前通知を受けた日から遡り十年以内に,前条の規定による命令又はこの条の規定による命令を受けたことがある者

括弧書を取り除いた条文

 事業者が,次の各号のいずれかに該当する者であつて,第十九条の規定に違反する行為をしたときは,公正取引委員会は,第八章第二節に規定する手続に従い,当該事業者に対し,当該行為をした日から当該行為がなくなる日までの期間における,当該行為において当該事業者がその供給を拒絶し,又はその供給に係る商品若しくは役務の数量若しくは内容を制限した事業者の競争者に対し供給した同号イに規定する商品又は役務と同一の商品又は役務の政令で定める方法により算定した売上額に百分の三を乗じて得た額に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命じなければならない。ただし,当該事業者が当該行為に係る行為について第七条の二第一項若しくは第七条の二第四項の規定による命令,第七条の二第十八項若しくは第二十一項の規定による通知若しくは第六十三条第二項の規定による決定を受けたとき,又はこの条の規定による課徴金の額が百万円未満であるときは,その納付を命ずることができない。

一 当該行為に係る事件について第四十七条第一項第四号に掲げる処分が最初に行われた日から遡り十年以内に,前条の規定による命令(第二条第九項第一号に係るものに限る。次号において同じ。)又はこの条の規定による命令を受けたことがある者

二 第四十七条第一項第四号に掲げる処分が行われなかつた場合において,当該事業者が当該違反行為について事前通知を受けた日から遡り十年以内に,前条の規定による命令又はこの条の規定による命令を受けたことがある者

 ※ 下線が引かれている箇所にマウスオーバー又はタップすることで,括弧書が表示されます。

第20条の3(特定の差別対価を繰り返した場合の課徴金納付命令)

 事業者が,次の各号のいずれかに該当する者であつて,第十九条の規定に違反する行為(第二条第九項第二号に該当するものに限る。)をしたときは,公正取引委員会は,第八章第二節に規定する手続に従い,当該事業者に対し,当該行為をした日から当該行為がなくなる日までの期間(当該期間が三年を超えるときは,当該行為がなくなる日から遡つて三年間とする。)における,当該行為において当該事業者が供給した同号に規定する商品又は役務の政令で定める方法により算定した売上額に百分の三(当該事業者が小売業を営む場合は百分の二,卸売業を営む場合は百分の一とする。)を乗じて得た額に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命じなければならない。ただし,当該事業者が当該行為に係る行為について第七条の二第一項若しくは第四項若しくは次条の規定による命令(当該命令が確定している場合に限る。),第七条の二第十八項若しくは第二十一項の規定による通知若しくは第六十三条第二項の規定による決定を受けたとき,又はこの条の規定による課徴金の額が百万円未満であるときは,その納付を命ずることができない。

一 調査開始日から遡り十年以内に,第二十条の規定による命令(第二条第九項第二号に係るものに限る。次号において同じ。)又はこの条の規定による命令を受けたことがある者(当該命令が確定している場合に限る。次号において同じ。)

二 第四十七条第一項第四号に掲げる処分が行われなかつた場合において,当該事業者が当該違反行為について事前通知を受けた日から遡り十年以内に,第二十条の規定による命令又はこの条の規定による命令を受けたことがある者

第20条の4(特定の不当廉売を繰り返した場合の課徴金納付命令)

 事業者が,次の各号のいずれかに該当する者であつて,第十九条の規定に違反する行為(第二条第九項第三号に該当するものに限る。)をしたときは,公正取引委員会は,第八章第二節に規定する手続に従い,当該事業者に対し,当該行為をした日から当該行為がなくなる日までの期間(当該期間が三年を超えるときは,当該行為がなくなる日から遡つて三年間とする。)における,当該行為において当該事業者が供給した同号に規定する商品又は役務の政令で定める方法により算定した売上額に百分の三(当該事業者が小売業を営む場合は百分の二,卸売業を営む場合は百分の一とする。)を乗じて得た額に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命じなければならない。ただし,当該事業者が当該行為に係る行為について第七条の二第一項若しくは第四項の規定による命令,同条第十八項若しくは第二十一項の規定による通知若しくは第六十三条第二項の規定による決定を受けたとき,又はこの条の規定による課徴金の額が百万円未満であるときは,その納付を命ずることができない。

一 調査開始日から遡り十年以内に,第二十条の規定による命令(第二条第九項第三号に係るものに限る。次号において同じ。)又はこの条の規定による命令を受けたことがある者(当該命令が確定している場合に限る。次号において同じ。)

二 第四十七条第一項第四号に掲げる処分が行われなかつた場合において,当該事業者が当該違反行為について事前通知を受けた日から遡り十年以内に,第二十条の規定による命令又はこの条の規定による命令を受けたことがある者

第20条の5(特定の再販売価格拘束を繰り返した場合の課徴金納付命令)

 事業者が,次の各号のいずれかに該当する者であつて,第十九条の規定に違反する行為(第二条第九項第四号に該当するものに限る。)をしたときは,公正取引委員会は,第八章第二節に規定する手続に従い,当該事業者に対し,当該行為をした日から当該行為がなくなる日までの期間(当該期間が三年を超えるときは,当該行為がなくなる日から遡つて三年間とする。)における,当該行為において当該事業者が供給した同号に規定する商品の政令で定める方法により算定した売上額に百分の三(当該事業者が小売業を営む場合は百分の二,卸売業を営む場合は百分の一とする。)を乗じて得た額に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命じなければならない。ただし,当該事業者が当該行為に係る行為について第七条の二第一項若しくは第四項の規定による命令,同条第十八項若しくは第二十一項の規定による通知若しくは第六十三条第二項の規定による決定を受けたとき,又はこの条の規定による課徴金の額が百万円未満であるときは,その納付を命ずることができない。

一 調査開始日から遡り十年以内に,第二十条の規定による命令(第二条第九項第四号に係るものに限る。次号において同じ。)又はこの条の規定による命令を受けたことがある者(当該命令が確定している場合に限る。次号において同じ。)

二 第四十七条第一項第四号に掲げる処分が行われなかつた場合において,当該事業者が当該違反行為について事前通知を受けた日から遡り十年以内に,第二十条の規定による命令又はこの条の規定による命令を受けたことがある者

第20条の6(特定の優越的地位濫用をした場合の課徴金納付命令)

 事業者が,第十九条の規定に違反する行為(第二条第九項第五号に該当するものであつて,継続してするものに限る。)をしたときは,公正取引委員会は,第八章第二節に規定する手続に従い,当該事業者に対し,当該行為をした日から当該行為がなくなる日までの期間(当該期間が三年を超えるときは,当該行為がなくなる日からさかのぼつて三年間とする。)における,当該行為の相手方との間における政令で定める方法により算定した売上額(当該行為が商品又は役務の供給を受ける相手方に対するものである場合は当該行為の相手方との間における政令で定める方法により算定した購入額とし,当該行為の相手方が複数ある場合は当該行為のそれぞれの相手方との間における政令で定める方法により算定した売上額又は購入額の合計額とする。)に百分の一を乗じて得た額に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命じなければならない。ただし,その額が百万円未満であるときは,その納付を命ずることができない。

第20条の7(不当な取引制限等に係る規定の準用)

 第七条の二第二十二項から第二十五項まで及び第二十七項の規定は,第二十条の二から前条までに規定する違反行為が行われた場合に準用する。この場合において,第七条の二第二十二項中「第一項又は第四項」とあるのは「第二十条の二から第二十条の六まで」と,「第一項,第四項から第九項まで,第十一項,第十二項又は第十九項」とあるのは「これら」と,同条第二十三項中「第一項,第四項から第九項まで,第十一項,第十二項又は第十九項」とあるのは「第二十条の二から第二十条の六まで」と,同条第二十四項中「第一項,第二項又は第四項」とあるのは「第二十条の二から第二十条の六まで」と,「並びに当該法人が受けた第一項(第二項において読み替えて準用する場合を含む。)及び第四項の規定による命令,第十八項及び第二十一項の規定による通知並びに第六十三条第二項の規定による決定(以下この項及び次項において「命令等」という。)は,合併後存続し,又は合併により設立された法人がした違反行為及び当該合併後存続し,又は合併により設立された法人が受けた命令等」とあるのは「は,合併後存続し,又は合併により設立された法人がした違反行為」と,「前各項及び次項」とあるのは「第二十条の七において読み替えて準用する前二項及び次項並びに第二十条の二から第二十条の六まで」と,同条第二十五項中「第一項,第二項又は第四項」とあるのは「第二十条の二から第二十条の六まで」と,「違反行為及び当該法人が受けた命令等」とあり,及び「違反行為及び当該特定事業承継子会社等が受けた命令等」とあるのは「違反行為」と,「前各項」とあるのは「第二十条の七において読み替えて準用する前三項及び第二十条の二から第二十条の六まで」と,「第一項(第二項において読み替えて準用する場合を含む。)中「当該」とあるのは「第二十条の二から第二十条の六までの規定中「,当該」と,「特定事業承継子会社等(第二十五項に規定する特定事業承継子会社等をいう。以下同じ。)に対し,この項(次項において読み替えて準用する場合を含む。)の規定による命令を受けた他の特定事業承継子会社等と連帯して」と,第四項中「当該事業者に対し」とあるのは「特定事業承継子会社等に対し,この項の規定による命令を受けた他の特定事業承継子会社等と連帯して」とあるのは「,特定事業承継子会社等に対し,この条の規定による命令を受けた他の特定事業承継子会社等と連帯して」と,「第二十二項」とあるのは「第二十条の七において読み替えて準用する第二十二項」と,「受けた特定事業承継子会社等」とあるのは「受けた特定事業承継子会社等(第二十条の七において読み替えて準用する第二十五項に規定する特定事業承継子会社等をいう。以下この項において同じ。)」と,同条第二十七項中「実行期間(第四項に規定する違反行為については,違反行為期間)の終了した日」とあるのは「当該行為がなくなつた日」と読み替えるものとする。

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