二回試験で犯したミス

1 後進の方の参考になるかもしれませんので,自分が二回試験で犯したミスのうち,判明しているものについて簡単に紹介したいと思います。

2(1) 大なり小なり各科目でミスはあるのですが,自分の中でヤバいなと思っていたのは,検察起案でした。

検察起案は,起案の型を把握することが容易なので,そこまで苦手意識はないものの,よく時間配分をミスって,尻すぼみな答案になってしまいます(そのために,C評価がついたこともあり,「実力はあるが,記載する事柄の分量のバランスを考えよう」と指摘されました)。

というのも,検察起案は,他の科目に比べ,記録の分量が多く,それに比例して事実の量も多いのです。

ついつい前半の犯人性の検討で,あの事実も使おう,この事実も使おうと欲張り,時間を使い過ぎてしまう結果,構成要件該当性等や手続問の検討で時間不足になってしまうのです。

私は,二回試験本番でも,気合が入りすぎて,同様のミスを犯してしまいました。

推認力が強い事実や相当程度認められる事実だけでなく,推認力が弱い事実についても,網羅的に挙げてしまったのです。

その結果,全部で33枚答案用紙を使って書いたと思うのですが,犯人性の検討だけで24枚も答案用紙を使った一方,公訴事実・罪名・罰条では2枚,構成要件該当性等の検討では6枚,手続問では1枚しか使っていません。

あの二回試験の問題であれば,構成要件該当性等の検討で6枚だけというのは分量としては恐らく少ないですし,実際にも,故意を基礎付ける認定事実のところで,犯行直前の被疑者と被害者のやりとり等のかなり重要な事実を書き落としています。

手続問に関しても,目安枚数は答案用紙2枚なので,1枚しか書いていないというのは,求められている記載の分量に達していないと思います。実際に前提とかかなり端折って書きました。

試験時間に限りがあり,書けそうなことを一から百まで全部書いていては到底時間が足りないので,ある程度の取捨選択が重要だというのは二回試験も同様でした。

(2) さらに,最後,途中答案になる危険があるほど,時間がなくなっていたので,落ち着いて考えれば司法試験に受かった人であれば誰でも分かるようなことについて,ミスもしてしまいました。

例えば,検察起案では,送致罪名が強盗殺人であるものの,公訴事実等で検討すべき正解筋は,殺人・窃盗の構成要件に該当するとした上で,窃盗については親族相盗例を適用し,刑を免除するというものでした(強盗殺人で検討したからといって,直ちに不合格というような事案ではないとは思います)。

私も殺人・窃盗の筋で検討していたのですが,その場合,「その他の犯罪の成否」のところで,なぜ送致罪名の犯罪を成立させなかったのかの理由を書かなければなりません

私も,強盗殺人を成立させなかった理由を書いたのですが,理由が不適切なものになってしまいました。

というのも,本来であれば,暴行が財物奪取に向けられたものではないとすべきであったのを,強盗の機会性を欠くから,強盗殺人を成立させなかったと書いてしまったのです。

他にも,「判断過程」で認定していなかった事実を「公訴事実」で書いてしまったり,「公訴事実」での記載と「罪数」の論述が矛盾していたり(「罪数」のところでは住居侵入が二罪成立しているのに,「公訴事実」ではあたかも一罪しか成立していないかのような書きぶりになっている),相当痛いミスをしていました。

親族相盗例についても,論じることができていませんでした。まぁ,これは多くの人ができていなかったようなので,親族相盗例を論じることができていたかどうかは合否を左右するポイントではないように思いますが。

3 以上のように,検察起案で私は派手にミスをやらかしています(C評価をとった後,起案を書き直して,教官にご多用の中添削していただいたのに,申し訳ないです泣)。

それでもなんとか合格できました。教官がこれ以上ないってくらいに恩情をかけてくれたに違いありません笑

心配無用だと思いますが,後進の方々におかれましては,私のようなやらかしをしないよう,即日起案でタイムスケジュールの仕方についてしっかり対策を練った上で,二回試験に臨んでください(^^)/

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