発信者情報開示請求等の手続を使いこなすための有用な1冊!

 スポーツ選手として活躍し,人気番組にも出演していた女性が,ネット上での誹謗中傷等を理由として,若くして自ら命を絶つという悲しい事件がありました。

 こうした事件は,インターネットの急速な普及とともに増加しています。

 そこで,昨今,ネット上で誹謗中傷を行った人を特定するためにはどうすればいいのかということが世間の耳目を集めているのではないかと思います。

 私も,弁護士として,また,ネットビジネスに携わってきた者として,インターネットにまつわる法律問題には強い関心を有しております。

 したがって,ネット上で誹謗中傷を行った加害者を突き止め,責任を負わせるにはどうすればいいのかということも勉強しております。

 こうしたネット上で誹謗中傷を行った加害者等を突き止めるための手続のことを発信者情報開示請求というのですが,本稿では,この発信者情報開示請求について勉強するために有用だと思った書籍を紹介させていただきたいと思います。

 その書籍とは,中澤佑一『インターネットにおける誹謗中傷法的対策マニュアル〔第3版〕』(2019年・中央経済社)です。

created by Rinker
中央経済社
¥3,300 (2020/11/28 02:18:24時点 Amazon調べ-詳細)

 この書籍は,ネットビジネスに関する紛争解決に強みをもつ戸田総合法律事務所の代表弁護士である中澤佑一弁護士の手によるものです。

 この書籍は,実際に発信者情報開示請求を行うことに重きが置かれており,手続の進め方について,豊富な図表等を用いながら,丁寧に解説されています。

 特に第2章では,具体的な事案をもとに,ストーリー仕立てで手続の開始から手続の終了までを解説しているため,発信者情報開示請求のイメージを掴みやすいです。

 さらに,ネットビジネスというと,IPアドレスとか,ドメインとか,サーバーとか,専門用語がたくさん出てくるので,一般に弁護士にはとっつきにくい分野だと思われがちですが,そうした専門用語についても豊富な図表等を用いて説明されており,ネットビジネスにあまり詳しくない弁護士でも読みこなすことは可能です。

 また,発信者情報の開示を受けるには,非常に多くの手続を経なければならず,その度に多くの文書を作成しなければならないことが通常ですが,各手続で作成が必要な文書の書式例も豊富に掲載されているため,この点もありがたいところです。

 本書は,発信者情報開示請求の一般論にとどまらず,5ちゃんねる,Twitter,YouTube,インスタ等の代表的なウェブサービスごとの解説もあるため,きわめて実践的といえ,オススメできます。

 ちなみに,誹謗中傷記事・投稿の削除を求めたり,発信者情報開示請求を行うことは,弁護士でない方でも行うことは可能なので,誹謗中傷記事・投稿の削除を求めたり,発信者情報開示請求等を行うことをお考えの方は,弁護士であるか否かを問わず,持っておいて損のない1冊です。

Please follow and like us:

コメント

タイトルとURLをコピーしました