新規事業に関する法規制の調査

 事業を立ち上げたものの,当該事業がある法規制に抵触している場合,行政処分や刑事罰の対象となったり,当該事業を継続することが困難になることがあります。

 しかし,当該事業にいかなる法規制が適用されるかを把握することは容易ではありません。

 そこで,本稿では,新しく立ち上げた事業に関係してくる法規制を効率的に調査するための方法についてご説明いたします。

関係しそうな法規制の発見

 まずは,同種の他社事例の有無を探し,公表事例を調査することが考えられます。

 そして,同種の他社事例が見つかり,当該企業が上場企業である場合は,その有価証券届出書有価証券報告書の「事業等のリスク」,臨時報告書に添付される英文目論見書の「Regulation」を参照することが有効です。

 有価証券届出書や有価証券報告書は,各企業のホームページにあるIRページや金融庁が解説しているEDINETから閲覧することができます。

 また,立ち上げた事業に関連する業界団体が存在する場合には,当該業界団体が定めている自主規制やガイドライン等参照することも考えられます。

法規制への抵触の調査

 以上のプロセスを経て,関係しそうな法規制が見つかった場合には,次に立ち上げた事業にその法規制が適用されるかどうかを調査することになります。

 その際には,専門の弁護士に相談することが考えられるほか,以下の方法で行政機関に照会を行うことが考えられます。

  • 直接の電話照会・訪問
  • ノーアクションレター制度
  • グレーゾーン解消制度

(1) ノーアクションレター制度の概要

 ノーアクションレター制度とは,立ち上げた事業が法令に基づく許認可等を受ける必要があるかどうか等について行政機関に回答を求める制度です。

 照会を求める法令の条項ごとに定められた窓口に照会書を提出することによって照会を行います。

 行政機関から回答がなされるまでの目安の期間は,照会書提出から1ヶ月以内です。

 ノーアクションレター制度は,照会可能な法令が許認可に関する条項等に限定されていること,手続的に煩雑であること,照会者名・照会内容・回答内容が公表されてしまうことなどのデメリットがあります。

(2) グレーゾーン解消制度の概要

 次に,グレーゾーン解消制度とは,新事業の事業者が,現行の規制の適用範囲が不明確な場合においても安心して事業を行えるよう,事業所管省庁に対し,具体的な事業計画に即して,あらかじめ規制の適用の有無を確認できる制度です。

 事業所管省庁から回答がなされるまでの目安の期間は,照会から1ヶ月以内です。

 グレーゾーン解消制度も,照会時に照会を求める条項等を具体的に特定しなければならない点はノーアクションレター制度と同様ですが,同制度ほど手続が煩雑でなく,同制度と違い,事業者名が公表されないなどのメリットがあります。

 また,グレーゾーン解消制度に基づき申請を行う前に,事業所管省庁に事前相談を行うことができ,その際に事業所官庁が,事業者が見落としている法規制を指摘してくれる場合もあります。

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