令和元年改正会社法対応に役立つオススメ書籍等

 2019年に会社法が改正され、一部を除き、2021年3月1日より施行されます。

 本稿では、改正会社法対応に役立つ文献等を紹介していきます。

一問一答 令和元年改正会社法

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 法令改正といったらコレというド定番。一問一答シリーズ。

 立法担当者が執筆しているため、資料価値が極めて高い

 実務においては、改正会社法だけでなく、改正法務省令の把握も必須であるところ、一問一答の発売開始時点では改正法務省令の内容が確定していないため、一問一答だけでは会社法改正の全貌を押えることができないことに注意が必要であるが(改正法務省令の内容に関する見通しに言及されてはいるが、パブコメ等を受けて、修正が加えられることが往々にしてある)、それでも会社法改正関係の書籍でどれか1つ挙げるとすれば、一問一答を挙げる。

 ちなみに、会社法改正に関しては、一問一答が出る半年以上前から、旬刊商事法務において立法担当者が改正法を解説する連載が開始する。一問一答は当該連載がベースになっていると思われるので、一問一答が出るのが遅くて待てない場合は、旬刊商事法務の連載を読むとよい。

Before/After 会社法改正

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 100の具体的な典型事例を想定し、ケーススタディの方式で、改正前と改正後のそれぞれの実務の運用について説明している。ケーススタディ方式であるため、特定の事案に遭遇した場合の対応方法を一気通貫に知ることができる。

 このようなケーススタディの方式で改正会社法の解説を加える書籍等は他にほとんどなく、また、執筆者には立法担当者のほか、有力な実務家や学者が名を連ねているため、有用な一冊である。

旬刊商事法務等

 上でも少し触れたが、旬刊商事法務では、立法担当者による改正法解説の連載を読むことができる。

 また、第一線の実務家や学者等による解説記事も豊富である。

 タイムリーな情報を仕入れることができることが雑誌の強みであり、法令改正対応の担当者としては、旬刊商事法務やBusiness Law Journal等の有名どころの記事には一通り目を通しておきたいところ。

旬刊商事法務のNo.2249(12月15日号)から、立法担当者が改正法務省令を解説する連載が開始しました。

 なお、別冊商事法務編集部編『令和元年改正会社法2――立案担当者・研究者による解説と実務対応』(商事法務・2020年)は、旬刊商事法務の解説記事がベースになっている。

セミナー

 東京株式懇話会や大手の法律事務所等がセミナーを開催し、そこで改正会社法に関する解説や情報提供を行っている。

 セミナーも、雑誌と同様に、タイムリーな情報を仕入れることができることに強みがあり、また、立法担当者等から直接話を聞けることもあり、資料価値も高い。

 聴講者からの質問に対するぶっちゃけ回答等、セミナーでしか仕入れることができない情報も多い。

会社法改正の概要と株式実務への影響

 2020年12月4日、東京株式懇話会から「会社法改正の概要と株式実務への影響」という報告書が出されている。

 今回の改正では、取締役の個人別の報酬等に関する決定方針を定めるよう求められたり、事業報告や株主総会参考書類の記載の拡充が図られるなどしたが、2020年12月現在、具体的にこう書けと手本を示してくれているものが皆無であったところ、ようやく来たかという感じである。

 もちろんどのように起案するかは各社各様であるから、「会社法改正の概要と株式実務への影響」の記載例はあくまで参考であるが、叩き台となるものがあるのとないのとでは検討のしやすさは全く異なってくる。

パブリックコメント

 法令は、その案が作成されると、パブリックコメント(意見公募)にかけられる。通称、「パブコメ」。

 パブリックコメントでは、ある規定の趣旨や解釈についての公的見解が示されることがあるため、資料価値が高く、参照頻度も高い。

 パブリックコメントは、以下のページから検索することができる。例えば、改正会社法施行規則等に関するパブリックコメントの結果は、2020年11月24日に公表されている。

トップ | e-Govパブリック・コメント
各府省のパブリックコメントの募集状況や意見提出方法、結果を確認できます。

その他

 私は今のところ利用していないが、改正会社法に対応した基本書もすでに発売されている。

 恐らく初版では、改正法務省令には完全には対応していないのではないかと思われるため、購入する際は、そこだけ気を付けてもらいたい。

 私が学生だった頃から非常に評判の良かった基本書である。

これから発売される主たる書籍等

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 西村あさひ法律事務所が誇る高名な弁護士である太田洋弁護士と野澤大和弁護士が著者。

 ご両名は、改正会社法に関する講演や執筆活動等に精力的に取り組んでこられており、私もその一部を拝聴・拝読させていただいたが、非常に勉強になるものであった。

 恐らく改正会社法対応に係る実務書として多くの実務担当者に重宝される一冊になりそうな予感。

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