個人情報保護法は、2020年6月12日に改正され、一部の規定を除き、公布日である2020年6月12日から2年以内に施行されます。
要するに、来年のどこかのタイミングで施行されるということであり、個人情報保護法改正対応は全社的に取り組むべき課題が多かったりするので、意外と時間がなかったりします。
では、早速、個人情報保護法改正対応に役立つ文献等を紹介していきましょう。
一問一答 令和2年改正個人情報保護法
法令改正といったらコレというド定番。一問一答シリーズ。
立法担当者が執筆しているため、資料価値が極めて高い。
確かに、実務においては、改正個人情報保護法だけでなく、改正規則や改正政令等の把握も必須であって、一問一答の発売開始時点では改正規則等の内容が確定していないため、一問一答だけでは個人情報保護法改正の全貌を押えることができないことに注意が必要である。
また、本法に関する解説部分は、全体の3分の1程度であり、後は参考資料なので、物足りなさを感じるかもしれない。
しかし、上記のとおり、立法担当者が執筆しているというだけで価値があり、また、多角的な視点から本法について解説が加えられているため、気付きが多い。
何より、図や表を豊富に用いて説明しているため、これが得た情報の整理に極めて役立った。
手に取って、読んでみる価値は十分にあると思う。
西村あさひ本
いずれも西村あさひ法律事務所から出ている書籍ということでまとめて紹介する。
岩瀬ひとみ=河合優子他「2020年個人情報保護法改正と実務対応」(商事法務・2020年)は、改正個人情報保護法が公布されて間もなく出た書籍。
タイトルにもあるとおり、改正個人情報保護法に関して、いかなる実務対応を執るべきかが述べられている。今、読んでも、非常に示唆に富む。
分量も少ないので、サクッと改正個人情報保護法の全体像を把握するのに適しており、一問一答よりも、改正個人情報保護法の体系を掴むのに適しているのではないかと個人的に思っている。
次に、太田洋=石川智也他「個人情報保護法制大全」(商事法務・2020年)だが、これも改正個人情報保護法に対応している。
分量は1,000頁を超えており、いわば辞書であり、用法上の凶器となり得る。
本書に関しては、個人情報保護法改正がどうとかいうより、普通に日常業務の中で個人情報保護法を扱う機会が多いなら、手元に置いておきたい一冊。
本の色的にはジャイアンだが、困ったときに頼りたくなるドラえもんのような存在。
改正規則及び改正政令
昨年2020年12月、改正規則案と改正政令案が公表された。
2021年1月現在、同月下旬までパブコメに掛けられている。
そして、同月現在、これらを解説する文献はまだほとんどないため、現時点では、これらに目を通しておくとよい。条文数も多くないので、サクッと目を通せるはず。
パブコメ結果が出たら、それもまた価値の高い資料となるだろう。
なお、弊ホームページでも、改正個人情報保護法に関する説明記事を上げており、改正規則案と改正政令案の内容をすでに反映させているので、参照していただけると幸いです。
ガイドライン等
まだガイドラインやQ&Aは出されていないが、これらが出されたら、必読必至。
ガイドラインは今年2021年の4月頃に、Q&Aは今年6月頃に案が公表される見込み。
コメント