【契約実務】〔売買基本契約書〕契約成立に関する条項の修正

 本稿では,次のサンプル条項を例に,契約成立に関する条項の修正方法を検討します。

第3条(個別契約の成立)
1.個別契約は,前条の内容を記載した買主所定の注文書を買主から売主に送付し,売主が売主所定の注文請書を買主に送付して,当該注文請書が買主に到達した時に成立する。ただし,売主が買主から注文書を受領してから●営業日以内に買主に対して承諾しない旨の意思表示をしないときは,個別契約は成立したものとみなす。
2.前項の定めにかかわらず,買主は,個別契約が成立するまでの間,売主に対して書面で通知することにより,注文書による個別契約の申込みの意思表示を撤回することができる。

※ 下線が引かれている箇所は,2020年4月1日施行の改正民法に基づき,修正を加えた箇所です。

 なお,サンプル条項が収録されている売買基本契約書のひな型は以下のページです。

みなし承諾について(1項但書)

 売主の立場からは,1項但書のみなし承諾期間が設定されていない場合や受注するかどうかを検討する上で期間が短すぎる場合は,受注するかどうかを検討するのに十分な期間を設定する方向で修正します。

 また,そもそも1項但書そのものを削除してしまうことも考えられますが,通常,買主から反発を受けることになると考えられます。

 これに対し,買主の立場からは,みなし承諾期間が設定されていない場合は,具体的な期間を設定するよう修正します。また,あまりに長期の期間が設定されている場合は,不安定な立場に置かれることを避けるため,みなし承諾期間を短縮する方向で修正します。

 ちなみに,商取引の場合に,みなし承諾期間を設定しないと,売主が「遅滞なく」契約の申込みに対する諾否の通知を行ったか否かで,契約の成否が判断されることになり(商法§509),予測可能性が奪われますので,具体的な期間を設定するのが望ましいです。

撤回権の留保(2項)

 新民法では,申込者が申込みを撤回する権利を留保した場合には,契約の成立までの間,申込みの撤回をすることができることとされました(新法§523Ⅰ但書,§525Ⅰ但書)。

 2項は,かかる改正を踏まえた規定です。

 改正の詳細は以下のページもご覧ください。

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