【契約実務】〔売買基本契約書〕所有権移転時期に関する規定の修正

サンプル条項

 本稿では,次のサンプル条項を例に,契約成立に関する条項の修正方法を検討します。

第6条(所有権)
 本製品の所有権は,買主への本製品の引渡しが完了した時に売主から買主に移転する。

 なお,サンプル条項が収録されている売買基本契約書のひな型は以下のページです。

修正方法

 買主としては,なるべく所有権の移転時期を早めたいところでしょう。

 これに対して,売主としては,なるべく所有権移転時期を遅らせたいところでしょう。

 実務上,目的物を引き渡した時点受入検査等に合格した時点で目的物の所有権が売主から買主に移転することとするケースが多いようです。

 ただし,買主に信用不安があるような場合は,所有権移転時期を代金の支払が完了した時点とする旨の所有権留保特約を定めることも考えられます。

 そして,所有権留保特約を定めるような場合には,買主の信用不安ゆえ,同時に代金債務に担保を設定することも検討されます。

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